20代男性が一人でハーモニーランドに行った話

その他

(2年ぐらい前に)

どうして急にハーモニーランドに?

当時大阪に住んでいた私は、実家のある関東に戻ることになりました。関東に戻るまでの間に暇な時間が半月ほどあり、せっかくなら関東からは行くのが距離的に厳しいテーマパーク群にまとめて行ってしまおうと思いたちました。パルケエスパーニャやひらかたパーク、さらに西に行ってハウステンボスに行きたいなーと考えている中でふと思い出したテーマパーク。

そう、サンリオのテーマパーク「ハーモニーランド」である。

実は実家から一番近くにあるテーマパークが「サンリオピューロランド」だったこともあって、そもそもサンリオにはある程度関わりはあるというような状態。とは言っても1年に1~2回行くか行かないか程度だったのですが。

そんなちょっとした縁があったピューロランド。屋内型のパークの中にある大きなスクリーンでショーなどを公演していない時間帯に、ショップで販売しているグッズ情報などに混じって屋外のアトラクションを映し出している映像が流れていました。

ハーモニーランドの印象、以上!

園内マップはもちろん、アトラクションやどんなショー、パレードが公演されているのかなどの前情報は一切なしでハーモニーランドに乗り込むのであった・・・

衝撃!不便すぎる交通アクセス

大阪からハーモニーランドに行くには、まず何らかの手段で大分県まで行く必要があります。今回はなんとなく気分的にも楽しそうだからという理由でフェリーを使って海上を移動する手段をとりました。実際船での移動はディズニークルーズラインを思い出すこともあってこれはこれで楽しい体験でした。

ディズニークルーズ以来の船泊!

しかし、問題はここから。港から電車でハーモニーランドの最寄り駅まで電車で向かった後の移動手段はバスかタクシーのみ。とても歩ける距離ではないのにもかかわらず、ハーモニーランド行のバスは土日祝日のみ運行という正気の沙汰とは思えない現実。この交通手段問題のせいで土日に行く以外の選択肢がなくなってしまったほどでした。

最寄り駅の暘谷駅

さらに、行きはまだ良いとしても駅までの最終バスがパークの閉園時間よりもかなり早いという罠。この日は夜間ショーが開催される日だったのですが、ショーを見ていると終バスに間に合わないため、行った日は泣く泣くショー鑑賞を諦めて夕方には撤退する羽目になりました。

ついに入園!しかし・・・

大阪からフェリー、電車、バスを乗り継いでようやくやってきたハーモニーランドについに入園です!パークチケットについて全く記憶になかったのですが、当時のパスポートのスクリーンショット(オンラインチケット)を確認したところ、2,700円ととってもリーズナブルでした。

ピューロランドのスクリーンで見たやつだ!!!

西洋風のかわいらしいおうちが立ち並ぶエントランスを抜けてパークに入園すると、サンリオピューロランドのモニターで見た大きな屋根と、中央に円形のステージがそびえるメインのショーエリアが行われるハーモニービレッジ!さらにその周りにはショーの有料鑑賞券を購入する列ができていました。人の流れに乗って有料鑑賞券を購入する列に並んでいると、スタッフから気になる言葉が聞こえてきました・・・

「こちらでは、各種電子決済やクレジットカードはご利用いただけません!現金のみの取り扱いとなりますので、現金をご用意してお待ちくださ~い!」

・・・ん?現金・・?

あれ・・・?現金持ってたっけ?

財布を確認する。入っていない。札が、1枚も・・・

そう、自身のキャッシュレス化が推進されすぎていたため、そもそも財布にいくら入っているかすらわかっていなかったのです。そしてこのタイミングで現金が全くないという状況に陥っていました。

このままではまずい!と、有料鑑賞券だけでなく突然現金がないことによる不安を感じた私は近くのスタッフに声を掛けました。

「園内のATMってどこにありますか?」

「あー、パークの中にATMはご用意ないんですよー・・・」

まさかの現金調達手段、なし。そしてここは辺境の地。パークから一番近いコンビニですら徒歩で30分以上かかるような立地。完全に詰みとなってしまった私は、有料鑑賞券を諦めてこの後どうするのか作戦を立て直すことにしました。まずは有料鑑賞券以外のショップやレストランで電子決済や、せめてクレジットカードが使えるか否かを調査すること。とりあえず近くのショップに飛び込みました。

幸いショップでは電子決済も使える仕様で、レストランも問題なさそうな様子。なら鑑賞券も対応してくれ

そのままショップを物色して、ようやく最初のエリアを後にするのであった・・・

屋根がない!明るい!屋外!!

サンリオのテーマパーク=ピューロランドの関東民からすると、サンリオのパークはちょっと暗めな屋内パークの印象がとてもとても強い。ハーモニーランドも入園すぐのエリアこそ屋根があるものの、パークのほとんどは屋外!つまりここからが本番なわけです!

ハーモニービレッジを超えると見えてくるのは、キティさんのお城!ここではキティとグリーティングができるようでしたが、この日は貴重な夜ショー開催日。ということでリピーターと思わしき人たちが結構いたのもあって、グリーティング施設はずっとそれなりの混雑。なのでこのグリーティングは断念して、横の坂道からさらに奥のエリアへ進みます。

キティさんのお城

ちなみにこのエリアには他にもコースターライド「リズミックコースター」や大きなサーカステントのような建物の中でアスレチックが楽しめるキッズ向け施設、下(物理的に)のエリアとを結ぶ鉄道「ハーモニートレイン」といったアトラクションがありました。

さらに奥に進んで上に登っていくと、ホワイトバーズスクエアという小型のアトラクションを詰め込んだようなエリア。ここにはある意味で有名な観覧車がありますが、それはまたのちほど。

30周年バージョンのパレードパラレル!

軽く園内散策をしていると、お昼のパレードの時間が近づいてきたのでハーモニービレッジに戻ってきました。パレードの時間が近くなると鑑賞エリアは一時的に封鎖されます。一般入場用に待機列も形成されていたので、開始45分前くらいに列に並び始めました。

ショーパレード待ちの温度感や、待機している人数だったり人気の場所など情報を全く持っていなかったので、入場まではドッキドキでした。とはいえそこまで混雑しているパークではなかったので、無事一般席としては最前列の場所を取れて一安心。

近くで井戸端会議を始めるダンサー好きの方々を見て「どこも同じなんだな~」と思ったりしながらショーの開始を待ちました。ショーが始まる少し前に、プレショーとしてクロミとダニエルが登場。ステージ回りをぐるっと回るスタイルで、ピューロランドのパレードのプレショーよりちょっと豪華かな?という感じ。

プレショーのクロミさん

そしていよいよパレードパラレルが始まります!見た当時はちょうどハーモニーランドの30周年イベント期間中で、過去にハーモニーランドで上演されていたショーやパレードの楽曲が使われていたみたいなのですが・・・

初見だから全くわからねえ!!

後から調べてみたところ、1993年の「ザ・セレブレーションパレード」、2000年の「サークルオブライフ」、2001年の「パレードノア」の楽曲が使用されていたようです。過去ショーの曲使うにしてもイッツ・ベリー・ミニーもびっくりなくらい昔の曲でびっくりしました・・・

パレード自体は、とにかくデカい!円形のステージと、その上についている360°のLEDスクリーンのおかげでどこからでも見やすい!さらにその周りにサンリオパークではお馴染み(?)のキャラクターが一人乗れるくらいの小さめのフロートがくるくる回っているという構成で、中心がステージになっている分サンリオピューロランドのパレードより見やすいかも?と思いました。

躍動感

内容は特にストーリーラインがあるわけではない(・・・よね?)ので、それも相まって歴代曲が違和感なくハマっていたため、どれが歴代曲なのかわからない現象を起こしていました。曲以外にもダンサーが持っているフラッグが30周年仕様になっていて、30周年を感じられるようになっていました。ちなみにこのフラッグと同じデザインのフラッグがショップで販売されていました。

30周年のフラッグも!

パレード”パラレル”というだけあってパラレルワールドについての曲があったり、突然諦めないことを説く曲になったりとストーリーラインありきのピューロランドのパレードに慣れきっている私としてはちょっと物足りない感覚でいたのですが、終盤の曲ではっとしました。

その曲は「Small Gift Big Smile」かつてのサンリオの経営理念で、私が就職活動中に企業説明会で聞いてとても感銘を受けた言葉でもあります。この言葉を聞いて、当時サンリオに抱いていた「仕事を選ばずにめちゃめちゃコラボいっぱいやっている」というイメージが企業理念ありきだったことに気づいた時の鳥肌の立ちようがすごかったのが今でもとても印象に残っています。

この曲の歌詞が正にそのまま意味を説明するような歌詞で、ここだけでこのパレードの印象が大きく変わったといってもいいくらい好きな曲です。これに出会えただけでもハーモニーランドに来た価値があった・・・と思えるくらい。

”あの”観覧車へ!

パレードパラレルを堪能した後は先ほどの丘の上にあるホワイトバーズスクエアに戻り、一番奥にある観覧車へ。ここはある理由から一部でかなり有名な観覧車で、ハーモニーランドに来ることがあったら絶対に乗りたいと思っていました。よく考えてみたらサンリオのテーマパークで20代男性が一人で観覧車に乗ってるってなかなかの光景だな・・・

サンリオのキャラクターが描かれたゴンドラに乗って、ただでさえハーモニーランドの中では標高が高いところにいるのにさらに上から周囲を眺めることができます。

そしてここがある意味で有名な理由。それはこの観覧車で見ることのできる景色に関係があったのです・・・!

奥の方に点々と見えるのが・・・

そう、この観覧車はテーマパークの中から牛などの動物を見ることができるのです。サンリオと農場のような場所という、マッチしているんだかしていないんだかよくわからないシュールな光景が広がっているのが不思議な気分にさせてくれて面白かったです。乗ってよかった。

テーマパークビュー

ノスタルジックな船旅!キャラクターボートライド

ハーモニーランドで一番”高い”場所の次は一番”低い”ところへ!本当にテーマパークか?と疑いたくなるようなながーい階段を下っていきます。謎のガーデンなども現れますが、ここはサンリオ要素が皆無なので、ここがサンリオのテーマパークだということをだんだん忘れて自然の溢れる公園にいると錯覚してきます。

噴水のあるお庭

下りきった先には広場があり、中央にはハーモニーパークとつながる鉄道の駅舎があります。そして、その周りを水路が囲っていて半分屋外のような形でキャラクターボートライドの乗り場があります。ライドは外から出発して駅舎の方に進んでいき、駅舎の中にメインショーがあるという形式。そう、まさにアナハイムの「It’s a Small World」です。

見た目もどこかそれっぽい

全く情報を入れていなかったので、思いがけない既視感にめちゃめちゃテンションも上昇。しかもこのライド、サンリオピューロランドの同名のアトラクションの旧バージョンというこれまたディズニーパークにありがちなやつという・・・オタクが好きなやつですね

当時はリニューアル後のボートライドの記憶があまりなく、何かの番組で芸能人が突然出てくる企画をやってたやつという印象しかありませんでしたが、この旧バージョンに乗ってみると乗船後すぐに聞こえてくる曲で記憶がよみがえってきて、「あ!旧バージョン絶対乗ったことある!!」となりました。やっぱり新バージョンがどんな感じだったかは思い出せませんでしたが・・・

ライドとしてはボートで様々なサンリオのキャラクターたちがいる場所を巡りながらキティが開くパーティーの招待状を配っていくというもの。最後にはキャラクターたちが勢ぞろいするパーティー会場を進んでいくライドです。一貫してメインテーマがアレンジをされつつ流れているので、一度乗るとそのあとずーっと頭の中でぐるぐるしてました。

豪華!しっかりグリもできるグリーティングショー

キャラクターボートライドに乗った後は、そのまま駅舎から電車に乗って上の方にあるハーモニーパークへ。途中「本当にサンリオのテーマパークなんですか?」と思ってしまう急こう配の森の中を進んでいくハーモニートレイン。ところどころではなくそこら中にあるレベルで謎のトーテムポールが生えていく道を進んで、ハーモニーパークへ到着。

トレインの乗り場

目的はパレードパラレルが公演されていたハーモニービレッジで行われるグリーティングショーです!ハーモニーランドを訪れた時期は11月。11月といえば、あの二人の誕生日!そう、ミッキーマウスとミニーマウスキティとミミィですね!グリーティングショーのショーパートでは、キティとミミィをシナモン、マイメロディ、バツ丸、ポムポムプリンとお祝いするような内容になっていました。

ミミィさんサイドでした

そしてショー終了後、人々の大移動が始まって誰の列かもわからない列が3つほど作られたので、近場の列に急いで並びました。そのまま列で待つこと数分。ついに誰に会えるのかわかりました!!

え?なんかすごい豪華じゃない??

まず思い出してほしいのがこの時期。今から2年前の2021年11月といえば、まだグリーティングもまともにできる場所が少なかった状況。ましてやペア以上のグリーティングなんて絶対にありえない時期でした。その時期に2キャラ+ダンサー3人という豪華なグリーティング。しかも個人的にはうれしいプリンとバツ丸の組み合わせという引きの良さ。もう大満足でしたね・・・

DCLっぽいステージショー、「プリンセスキティ号」

グリショーを満喫して、次に向かったのは観覧車のあるホワイトバーズスクエア。実はここにもショーが公演されるステージがあって、その時間がかなり近づいていたので急いで階段を上って移動してきたのである。

ここで公演されているのは、ゲストの誕生日をみんなでお祝いするショー。といっても誕生日の人向けになるのは後半で、前半は豪華客船「プリンセスキティ号」で繰り広げられるミュージカルショーです!

しっかりダンサーもいます

キティ、バツ丸、ポムポムプリンが登場するこのショーはどこかディズニークルーズラインを思わせるコスチュームと設定で、出向セレモニーを思い出しました。またクルーズも乗りたいな。

誕生月に訪れているゲストはショーが終了した後、ステージ上にいるキャラクターたちと写真を撮ることができます。とはいってもゲストはステージ上には上がれず、下から撮ってもらうような形式なのですが。まあコロナ禍だししかたないね。

雑感

まだ明るいうちの撤退

10時ごろに入園して、バスやら電車やらの関係で16時くらいにはパークを出なければならなかったため、6時間くらいとテーマパークにしてはなかなかに短時間滞在でした。しかし、それでもショーやパレードをしっかり見て、観覧車とボートライドだけとはいえアトラクションにも乗ることができて大変満足でした!この日は開催日数の少ない夜のパレード開催日で、普段と比べると人が多かったらしいですが、それでもサンリオピューロランド比でもかなり空いている体感なほど。

正直パークを訪れる障壁になりえる問題点も少なくはなく、特に交通手段の確保難易度が有名IPのテーマパークの中では群を抜いて高いのは問題だとは思いますが、そこを乗り越える価値はあったかなと思える体験でした。

立地が立地だからこそ体験できる物理的な高低差だったり、牧場の見える観覧車などは特に味わい深いポイントだとも思いますし、ショーやパレードはさすがのサンリオクオリティ(ミラクルギフトパレードほどの奇跡的完成度ではないものの)が保たれている上にピューロランドとは一味違った演出で、ハーモニーランドならではの味が出ているので、サンリオに少し興味がある程度の人でも何かのついでにきたら楽しめるいいテーマパークだと思います。

それでもやっぱり行くハードルがめちゃめちゃ高いと思うので、すぐには無理でも一生のうちにもう一回は行きたいな。と思えるテーマパークでした。

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